浄土宗のお経を音声と文章によりご紹介致します。浄土宗には”無量寿経”、”観無量寿経”、”阿弥陀経”と呼ばれる代表的なお経がありますが”無量寿経”と呼ばれるお経の中の一番、大切な偈文からご紹介してまいります。
「鬼滅の刃」の悲鳴嶼行冥さんも鬼を祓うために読んでいたかもしれませんね。
以下の偈文は浄土宗、浄土真宗でもよく称えられるお経で”肆(四)誓偈(しせいげ)”と呼ばれる偈文ですが、これは長い昔に存在されたローケーシバラ・ラージ(世自在王)如来にダルマ・カーラ(法蔵菩薩のち無量寿如来となる)が、如来となるべく自らの誓いを建てられた時の御言葉を、釈尊(ブッダ)が弟子のアーナンダに説明した部分です。
お経で読むとこうなります、ご本山住職方による綺麗な読経の響きですので「気持ちを落ち着けたい時」、「心の”鬼”を祓いたいときなど是非お聞きください」👇(2:55位から下記のお経になります)合掌。
~佛告阿難 爾時法藏比丘 說此願已 而說頌曰~
我建超世願 必至無上道 斯願不滿足 誓不成正覺 我於無量劫 不爲大施主
普濟諸貧苦 誓不成正覺 我至成佛道 名聲超十方 究竟靡所聞 誓不成正覺
離欲深正念 淨慧修梵行 志求無上道 爲諸天人師 神力演大光 普照無際土
消除三垢冥 廣濟衆厄難 開彼智慧眼 滅此昏盲闇 閉塞諸惡道 通達善趣門
功祚成滿足 威曜朗十方 日月戢重暉 天光隱不現 爲衆開法藏 廣施功德寶
常於大衆中 說法師子吼 供養一切佛 具足衆德本 願慧悉成滿 得爲三界雄
如佛無碍智 通達靡不照 願我功慧力 等此最勝尊 斯願若剋果 大千應感動
虚空諸天人 當雨珍妙華
~佛告阿難 法藏比丘 說此頌已 應時普地 六種震動 天雨妙華 以散其上 自然音樂 空中讚言 決定必成 無上正覺~
(下記が上記お経の意味👇:中村元先生のサンスクリット原文の邦訳によります)
~さてアーナンダよ(釈尊曰く)。かの修行者ダルマ・カーラ(法蔵菩薩)はこのような特別の誓願を説き終わって、その時に佛の威力によって次の詩句を説いた。~
私が覚りを得た後、もしもこのように優れたこの最上の誓願が(願ったとおりかなえられない)ならば人々の王(=ローケーシバラ・ラージ如来)よ、私は十力を持ち、比べるものなく、供養さるべきものなる生ける者の清粋(=佛)とはなりませんように。
もしも私の国土がそのようでないならば、多くの貧しい者に多くの尊い麗しきもの(=財)が存在しないならば苦しみに陥った人を幸せに為しえないならば私は人々の中の寶のごとき王とはならないでしょう。
もしも私が覚りの境地におもむいた後に、私の名がすみやかに十方の、多くの無限の諸仏国土にひろく達しないならば私は十力ある世の主(=佛)とはならないでしょう。
もしも私が比べるものなく幸せな覚りを体得しようとしていながらも記憶し思慮し理解することを捨ててしまって愛欲の快楽に喜ぶようであったら私は十力ある世間の師とはなりますまい。
主よ。広大にして無比・無限なる光明は、四方八方のあらゆる仏国土を満たし、貪欲を静め、あらゆる憎悪と迷いとを静めて、地獄界の火を消した。
極めて美しく大いなる智慧の眼を開き(開彼智慧眼)、全ての人々の闇を破り、(教えを聞き得ぬ八種の)難処を残りなく取り除いて、無限の光輝ある天界への道に人々を導いて。
月と太陽の光も天空に輝かず、珠寶の群れも、火の光も、神々の光も(輝くことがない)。清らかな過去の行いを実行して、人間の王者(=佛)の光はあらゆる(光に)打ち勝つ。
最高の人となり、苦しみ悩む者どもの寶となる。四方八方にこのような人はいない。百千の善をことごとく円満に成就して、会衆の中にいて、目覚めた人(=佛)の獅子吼(高らかに獅子のごとく宣流する)をなされた。
過去の勝てる者たち・自存者(=佛)たちを敬い、無量億の誓願を実行し、いとも優れた叡知を豊かに求めた。誓願の力を円満に成就した精英の人として。
あたかもさまたげなき智見を持てる師、人々の王(=佛)が作られたものを三種にしりたまうように、わたくしもまた、無比なる者、供養されるべき者、いとも優れた智者、人類の導者(導き手)となるであろう。
人々の王よ(世自在王如来)。もしも、わたくしが覚りを得て、このような誓願が成就するならば、この大千世界を震動させよ。天人の群をして虚空の中から花を降らせよかし。
~ ダルマ・カーラ(法蔵菩薩)のことばに応じて、大地は震動し、花は雨と降った。数百の楽器は空中に鳴り響いた。天の甘美な栴檀の抹香は撒かれた。(空中に声あって言う)「かれ(法蔵菩薩)は来世に佛となるであろう。」と。~