住職ご挨拶

常満寺鐘楼より望む犬山城

常満寺山門(犬山城松の丸裏門)

常満寺椿

 当山は、鎌倉中期、今より約730年を遡る正応四年(1291年)、後醍醐天皇の頃、定照東安大和尚により創建されました。山号の「日輪」と寺号「常満」は、開山東安上人が、信州善光寺に祈願され七日七夜目の夜に「尾州犬山郷有縁の地にて汝住す所、日輪影向(ようこう:”ようこう”とは佛がその物の姿を借りて現れる意)すべし」との教示を御受けになられ「日輪、常に満てよ」の上人の御言葉に因み、名付けられております。

寺院には山門として明治維新の版籍奉還に伴い、成瀬家犬山城より譲り受けました現国宝犬山城の松の丸裏門がございます。また境内には寺号常満寺の名を関した代表的中部椿の「常満寺」と尾張の商家、高田家、関戸家に因む「関戸太郎庵」の原木、並びに紅常満寺がございます。平成三十年には、慶長元年(1595年)に再建された本堂庫裏等が誠に残念なことに火災に見舞われてしまいましたが、現在、400年以上ぶりの本堂再建復興に全力にて取り組んでおります。

近年、誹謗中傷やエゴの衝突などが社会問題になる中で生きづらさを感じる方のご相談も増えております。うつむきがちな世の中ではございますが、「日はまた昇る」、「日輪、常に満てよ」の開山定照東安上人の御言葉を胸に、今を懸命に前向きに生き、未来を創る方々のお力になることの出来る寺院を目ざしております。尾州犬山に御用の際には是非お立ちより下さい。合掌。

                日輪山常満寺第五十四世 範空頴俊

富士山から昇る朝日