負けました(中外日報記事より)

以下、中外日報のコラム風鐸より全文引用です。中外日報は文章を書いた人の名前がきちんと書かれているのが良いですね。良い内容ですので、ご紹介致します。

子どもの頃、町の将棋教室で最初に指導されたのが、対局を始める前の「お願いします」、負けたときの「負けました」、対局後の「ありがとうございました」をきちんと言うことだった。特に「負けました」は、はっきり言うようしつけられ、そうすることで強くなると教えられた◆負けましたと口にするのは思う以上に難しい。自分の負けを認めにくいのはもちろん、将棋以外で言う場面がほとんどないから舌になじんでいない◆小さな声になったり、ごにょごにょと口ごもってしまったりすることもあった。将棋教室の先生は礼儀だけでなく、現実を受け入れられない弱い心を戒めてくれていたのだと今になって思う◆先日投票が行われた米大統領選で、トランプ大統領は敗北宣言をせず法廷闘争を続ける構えだという。郵便投票で不正があったと主張するが、世論の支持は広がっていないと報じられる。トランプ氏の姿勢が悪あがきと映っているのかもしれない◆自分に不利な事実と正面から向き合うことは容易でない。それだけに仏教では、「正見」を八正道の第一に掲げるのだろう。トランプ氏に仏教を説いても馬の耳に念仏かもしれないが、我々も生きていれば厳しい現実に直面する。事実を正しく見て受け入れ、潔く「負けました」と口にする勇気を持つことが、新たな希望へ踏み出す一歩になるのではなかろうか。(有吉英治)

過去のプライドが邪魔して、自分の本当の実力や事実を受け入れることが出来ない、潔く「負けました」の言葉が出ない、謝れない、それは「弱さ」が故。正しく見る事が出来なければ事実を歪めることになります。

合掌 常 範空 m(_ _)m

https://www.chugainippoh.co.jp/article/rensai/futaku/20201118.html