椿園(2)「花」脈

本日は先日、ご紹介させていただきました稲沢の椿園様が来寺され、椿の講義を頂きました。

常満寺椿は「太郎庵」と呼ばれる椿の系譜の中にあり、

「(熱田)神宮太郎庵」→「関戸太郎庵(高田太郎庵による)」→「常満寺」

となるそうです。ただ江戸時代以降、茶席は庶民の遊興と見なされる傾向にあり、遊興にふけることを幕府が嫌がったため、茶席に用いられる椿はどんどん切られていったため椿の巨木は市井には、なかなかないそうですが、寺社の境内にある椿は伐採を免れ、大きく育つことが出来たとのことでした。「常満寺」も境内にあったため大きく育つことが出来ました。

巡り合わせというものは不思議なもので、こうしたことをお聞きする機会が得られるのもご縁かと感じております。火災で、半分真っ黒に焼けてしまった常満寺椿がまた綺麗に咲いております。数百年を超える人の縁と花の縁、法脈と「花」脈。支えて頂いておりますこと、しみじみと実感をした日でございました。

しかし人の一生というのは長いようで短く、いろいろ経験させて頂くことは、それがどのようなものであれ、有難いものと感じております。

合掌 常 範空 m(_ _)m