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「老いることも、死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ」”煉獄杏寿郎”

日本人は、この数十年、健康で長生きするということに血眼になってきた感があります。

現に寿命だけは世界一となりました。しかしコロナの世界に陥り、健康でも、長生きをもはやしたくないという人も出てきています。何故でしょうか。

「何のために生きるのか?」

いまその本質が問われています。いたずらに長く生きるだけでは人は幸福にはなれません。

”鬼滅の刃”で描かれた煉獄杏寿郎は、短い一生を他者のために生き、戦い、そして死にます。他人の命を喰らい永遠に若く死ぬことなく、己が為だけに生き続けようとする「鬼」になることを断り、短いけれど力の弱い者を守り次の世代を導くという信念を貫く彼の生き方とその背中。その生き方と想いは滅することなく、若い主人公炭治郎たちに、受け継がれていきます。

「老いることも、死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ」

煉獄杏寿郎の姿は、近年の何のために生きるのか、その目的を見失い、ただ自分の為だけに生きながらえようとする人々の利己的な合理主義への挑戦状のようにも感じました。

「老いることも、死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ」

これは永遠に若く老いるのことのない」”鬼”になることを拒み、人であろうとした煉獄杏寿郎の言葉です。いま一部の人に死への恐怖の故か、ワクチンを一度も打てないものがいる中で4回も5回もワクチンを打とうとする人が出てきています。自分のことばかりを考えるエゴは目の前に垂れている「蜘蛛の糸」を切ってしまうかもしれません。

何のために生きるのか? 人を助け生きるのか、鬼となり人を踏みつけに生きるのか。

「幸福とは長さではなく、その深さなのだ」

と作者の吾峠さんも漫画の中に書かれております。この言葉により鬼滅の刃の一つの大きなテーマが結実しています。鬼滅の刃の連続で恐縮ですが、良い言葉ですので、ご紹介致しました。

○○ファーストや誹謗中傷による他者への容赦ない攻撃性の跋扈により、人が「鬼」を生み出しかねないこの社会で、最近めっきり見ることができなくなった煉獄杏寿郎たちのような生き方は、実は皆が求めている慈悲の「菩薩」の姿かもしれませんね。

「悪事は己に迎え、好事は他に与え、己を忘れて他を利するは、慈悲の極みなり」(伝教大師最澄)

合掌 常 範空 m(_ _)m

※)後に知りましたが吾峠さんは31歳の女性だそうです。31歳にして、この言葉と文字の力。。短く本質をつく言葉。どんな人生を歩まれたのでしょうか。。ネーム(セリフ等)を入れるスピードがものすごくはやいとのことですが、人の喜怒哀楽、喜び悲しみ苦しみそして優しさの蓄積がとてつもない方と勝手に推測しております。

鬼”を祓い運気の上がるお経

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