ゴータマシッダールタとキリスト

『ある日、王様は仙人をお城に呼んで、王子様の将来を占ってもらいました。仙人は王子様をじっとみつめて涙を流し、言いました。
「この王子様は、やがて世界中の人々を幸せにする立派な尊いお方になられます。けれども私は年寄りで、王子様の教えを頂けずに死んでいくのが悲しいです」
やがて王子様は成長され、苦しい修行をされて、世界中の人々を救う教えを広められました。仙人が言ったとおり立派なお方になられたのです。
お釈迦様は世界中の人々が平和に、お互いのいのちを尊び合うことを念じておられます。』


お釈迦様、ゴータマシッダールタという方は将来一国の国王となる王子に生まれながら、その約束された地位を捨て、また愛する家族とも別れ、80才半ばまで50度に迫る酷暑と毒虫のいるインド北部を、人の為に生き、文字通り死ぬまで歩き続けられました。最後はその旅の途上で亡くなられます。

話は変わりますがキリスト教を開かれたイエスキリストも「愛神愛隣」神と人の愛を説き続けられますが、ローマ帝国に服従しなかったがために30才程で、ローマ帝国に捕縛され、磔(はりつけ)にされ、殺されてしまいます。


ただ自身の安定した生活のみを望む者から見れば、お釈迦様やイエスキリストのその生き方は誠に愚かに見えるかもしれないし、今の日本では、誰もそんな過酷な生き方をしたいと思う方はほとんどいないでしょう。しかし、その過酷で愚かにうつるかもしれない者たちの御言葉が二千年以上のちに伝わっています。


コロナで鬱々とした日々が続いておりますが、二千年以上の昔に他者のために生きられた方々がいらっしゃったことを思い出してみても良いかもしれません。

合掌 常満寺 範空 m(_ _)m