あるとき釈尊が権力者であるコーサラ国王パセーナディに対して語られたことです。
「パセーナディ大王、世には四種類の人々がいます、その四つとは何であるか?
(1)闇から闇におもむく者
(2)闇から光におもむく者
(4)光から光におもむく者
です。
(中略)
(1)王よ、ある人は貧しくて、信仰なく、もの惜しみして、けちで、悪い思いがあり、邪まな見解(偏見含む)を抱き、人を敬わず、道の人(僧)やバラモンや、食を乞う他の人々をあざけり、罵り、何でも否定して(それはできない、ダメだ、無理だ、とネガティブに)、怒り悩まし、食を乞う者に施しを与えようとする人の邪魔をする。
ーそのような人は、死んでから恐ろしい地獄の生存に赴く。
これは闇から闇に赴く人である。
(2)王よ、ある人は貧しいが、信仰あり、もの惜しみせず、施しをなし、崇高な思いがあり、心が散乱していない人であり、道の人や、バラモンや、食を乞う他の人々に対して座から起ちあがってうやうやしく、挨拶し、安らかな行いに身を修め、食を乞う者に施しをしようとする人の邪魔をしない。
ーそのような人は、死んでから、(神々の)三十三天に赴く。
これは闇から光に赴く人である。
(3)王よ、ある人は、富んではいるが、信仰なく、もの惜しみして、けちで、悪い思いがあり、邪(よこし)まな見解を抱き、人を敬わず、道の人やバラモンや、食を乞う他の人々をあざけり、罵り、何でも否定して(それはできない、ダメだ、無理だ、とネガティブに)、怒り悩まし、食を乞う者に施しをしようとする人の邪魔をする。
ーそのような人は、死んでから、恐ろしい地獄に赴く。
これは光から闇に赴く人である。
(4)ある人は、富んでいて、信仰あり、もの惜しみしないで与えることができ、崇高な思いがあり、心が散乱していない人であり、道の人や、バラモンや、食を乞う他の人々に対して、座から起ちあがって、うやうやしく挨拶し、安らかな行いに身を修め、食を乞う者に施しをしようとする人の邪魔をしない。
ーそのような人は死んでから、(神々の)三十三天に赴く。
これは光から光に赴く人である。」と。
中村元訳 サンユッタ二カーヤより
サンユッタ二カーヤは最も古い部類の釈尊の言葉がまとめられたお経(法話、説話)です。いろいろな神々、悪魔、現世の人々、弟子などとのお釈迦様の会話や言葉が残されています。
さてみなさまは四種類のうちどの命(あえて命と書きますが)でしょうか。
合掌 常満寺 範空 合掌